2014年5月7日水曜日

ボクシング(井岡一翔 対 アムナット・ルエンロン)を見ました

 井岡一翔(挑戦者) 対 アムナット・ルエンロン(チャンピオン) を見ました。

 ボクシングはド素人で、世界タイトルマッチのTV放送の時だけ見るくらいのレベルです。なので技術的なことはよく分かりません。

 ルエンロンは34歳。テレビ解説でも盛んに後半のスタミナ切れを予見されていました。試合はルエンロンペースで進んでいたので、意外とスタミナ持つんじゃないかなーと思っていたのですが、指摘通りに後半明らかにバテていました。

 しかしここから、ルエンロンが良く言えば老獪、悪く言えばズルい、捉え方を変えればなりふり構わない試合運びで凌ぎ切りました。投技でも放つんじゃないかと思われるほどのクリンチ、パンチを放ちながら脚をかけようとする、牽制しているフリをして明らかに休むなど。私も運動しているとすぐバテちゃうので、何か共感を覚えると同時に感心してしまいました。

 しかし判定勝利した後の喜び方を見ると、汚いというよりは、必死で勝ちにいったんだなあと感じました。ちょっと彼に興味をもったのでWikipediaで調べてみると、

  • 生まれてすぐに母親に捨てられる
  • 見た目がアフリカ人みたいなのでタイ人と認められず教育が受けられない(15際の時に実母が証明してようやくタイ人と認められる)
  • ムエタイで生計を立てていたが麻薬常用者となりジム追放
  • 強盗と窃盗の常習犯となる。2004年(25歳)、強盗で懲役15年。
  • 刑務所の中で暇つぶしにボクシングを始めて、2007年(28歳)国内選手権で優勝して特赦により釈放。
  • 2007年世界選手権銅メダル、2008年北京オリンピックベスト8
  • 2010年プロに転向し、今年(2014年)の1月に世界王者となった
 
 とのことで、矢吹丈よりも波瀾万丈の人生を送られています。彼がボクシングを始めた25歳は今回の挑戦者の井岡一翔と同じ年です。(ムエタイをやっていたとはいえ)新しいスポーツを始めて一流になるには遅すぎると思われるほどの年齢、麻薬常習、そして懲役15年の犯罪者という絶望的とも思われる状況から、今日を含め数々の栄光を掴みとったのはまさに信じられないほど凄いことです。
 あの戦法と喜びの裏にはこのような人生があったんだなあ、と他人事なのですが何だか感慨深い気持ちになりました。
 




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